11/10放送の『アメトーーク』の企画は「芸人の新ルールを考えよう」と、中堅芸人がテレビ番組を作る上での面倒なこと、腑に落ちないことをみんなで決めようという内容であった。
こういうことは本来は裏方や大物芸能人が決めなければならず、芸人を矢面に立たせるのはいかがと思うが、こういうややこしいことは、職場でも人間関係でもよくあることで、これをキッカケに自分のことを振り返ってみるのはよいのではないか。
それを考えるのが40周りの中堅芸人、ビジネスでは最も油が乗っている世代が理不尽だと議論することを考えると、今の日本社会の閉塞の一端を担っているのではないかと思ってしまう。成長著しい会社というのは、職場環境も比例して良くなっていく。例えば社内恋愛が多い会社は成長企業に見られる現象という調査がある。環境は仕事とは関係ないように思えるが、ビジネスは所詮対人関係あってのものであるため、職場がギクシャクしている会社が世に受け入られるとは到底考えられない。
テレビも約60年の歴史を迎え、会社の寿命と言われる年月と同じになった。「芸人の新ルール」など私達にはどうでもいいようだが、彼らも社会人ではあるし、我々も仕事は違えど今の仕事環境という「環境」だけに目を向ければ、視聴者とは変わらない。
番組でも紹介されていた中では「アンケート」の記入に共感を感じた。とりあえずということで漠然とした質問をしたり、挙句の果てには「誘導」を促す。これはアンケートではない。「ナポリタン」について突然聞かれて何を答えられる??
コンセプトが明確でないから変なことが起きる。キッカケを作りたいので「自由にどうぞ」はわかるが、それならそれを伝えておく方が良いし、誘導など今のK−POPの出現状況と大差ない。
クリエイティブの仕事は、無から有への流れを作ることだから困難なことではある。それを中堅芸人はわかっている。彼らはネタを作り、番組の流れを読みながら視聴者を惹きつけコメントを言うことなど、常に創造的感性が試されている。現場の人間は頑張っているのに、裏方がお役所仕事で責任を取らない。
アメトーークの「くくりトーク」は玄人だと思う。アニメなどサブカルをあれだけ面白く語れるとその人間に興味が沸く。アキバ系が毛嫌いされていたのも、客観的な話ができないから広がらない。内向的すぎるのだ。芸人も内向的な性格が必要であることは間違いないが、商品として、話を売るには外向的に考えて話さないと人には伝わらない。ビジネスも商品を作る上では内向的に突き進むが、いざ売るとなれば外向的分析がなければ売れない。企画と広報の役割分担のようなものである。
『アメトーーク』はなぜ流行る?――テレ朝に学ぶコンサル的発想
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