IPPONグランプリで有吉弘行が堀内健に「ボキャブラ世代が邪魔をする。目の上のたんこぶ」との発言があり爆笑をさらっていたが、考えてみれば理にかなっているなあと思う。
有吉は1997年にブレイクしたわけだが、実質的には最近ブレイクしたという方が適切である。そのキッカケも紐解けばテレ朝の「内村プロデュース」での猫男爵から始まり、大喜利、ダジャレの旨さが際立って面白かったからである。その他にもさまぁ~ずは勿論のこと、バナナマンやおぎやはぎ、劇団ひとりなども内Pから出てきた芸人とも言え、「内P世代」と言っても過言でないほどの現在の活躍ぶり、一世代を築いた。
内Pは2004年~2005年に最盛期を迎えながらも突如番組が終わったこともあり、伝説的番組としてその後も不定期でDVD発売と絡ませて特番が組まれるほどの人気を持っていた。
内P以外にも爆笑レッドカーペットやレッドシアター、エンタの神様のように若手が脚光を浴びる場はあったが、所詮ネタ番組は、今のテレビでの自由度を測る目安にはならない。内Pのようにアドリブ性が全面に出ている番組は芸人を篩にかけるにはちょうど良い番組である。もしくはネタならM-1という大舞台があるので、レギュラーでのネタ番組は意味をあまりなさない。
00年代はフリートークが重要視され、見極められていたが、それ以前にあった若手ネタ見せの最後の番組が「ボキャブラ天国」であった。99年に終わるまで、芸人がアイドル化する少々異常な状態を引き起こしていたが、結果コンスタントな人気と実力を持っていた芸人は、爆笑問題とネプチューンで、くりぃむしちゅーは海砂利水魚から改名するまで一時的に落ちていたりと、ほとんどの芸人が今、液晶画面に映ることはない。
内P世代には、この、ボキャブラ世代の「アイドル」的人気は厄介なもである。この狂気じみた行動や感情というのは本人の記憶から抜けない。しかも質は関係ないのが厄介だ。青春時代に好きだったアイドルは年が経っても否定はされないことと同じである。確実に内P世代の方が質が高い。残ったタレントを見ていても明らかだ。BOOMERやX-GUNや金谷ヒデユキがアイドルだったわけだから。
有吉自身もヒッチハイクで勝手なアイドル感をもたれ、人間の良いところと悪いところと両方経験した芸人だから、技量があっても勝てない世界があるということに気づいているのだろう。過去の番組がyoutubuに上がっているがトークも下手ではない。今の状況を彷彿させる毒が垣間見える。でも世間は時流の中で捨てていった。
本当に目の上のたんこぶだと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿